本好きの下克上

 

最終巻を前にして、ここまでの感想も少し書いておく。小説家になろう時代から追っていたわけではないけど、単行本が出たらすぐに読み始めたので、比較的読んでいる期間は長いほうだと思う。当初はここまで続くとも予想しておらず、最終的には駆け足で本を作ってしまうのかな、と考えていた。自分自身を振り返ると、本を読んでいたからと言って読んだ内容をすべて覚えているわけでもないので、こんなにしっかり覚えていられるものかと思いつつも、途中経過も面白かった。下剋上がどこまで行くのかも楽しみの一つだったけど、ここまで来るのだなあと、今になっては感慨深い。こんなに一つ一つ描かれるとは思っていなかった。

貴族社会ということで、(表向き)性的な要素は少ないので、子供にも読める内容になっているのも、広く受けいれられた理由の一つだろう。性的な要素がなくても十分面白いことがすごいことだ。年末に最終巻が出るだろうけど、しばらくはコミカライズやファンブックが刊行されるだろうし、スピンオフも描かれるかもしれない。作者は、丁寧に世界を作れることが分かったので、新作が出たとしても安心して読めそう。途中でほかの作品を書く人も多いなか、(知らないだけかもしれないけど)本好きの下克上のシリーズに集中して書いてくれたのは好印象だ。刊行ペースも一定だったこともよかった。

 

最終巻ではどうなるのか、どうまとめるのか予想はしているものの、そんなものは複数予想していればどれかが当たるものだし、やめておこう。少なくともそこまでは事故などに合わずに生きていたいと思える作品だった。少し気が早いけど、書いてくれてありがとう。とても楽しい時間を過ごせました。