冲方 丁 オイレンシュピーゲル 2巻

思いのほか早く続巻が刊行されました。前回は紹介の意味もあったのでしょうがそれぞれが主人公の短編で、今回はその魅力を十分に生かした形での長編です。
ライトノベルにしてはかなり残酷な描写があったり、社会的な背景が描かれていたりします。あとがきにはそれぞれの社会的背景に対する偏った意図は無いとありましたが、これを読む少年少女はどのような受け取り方をするのでしょうか。ただ単に物語として楽しむのか、実際はどうなんだろうと調べるのか、それとも何の関心も持たないのか。
主人公はもちろん3人なのでしょうが今回は陽炎が良かった。印象は全部陽炎がもっていったような感じです。一生懸命内面を隠そうとしているのですが、彼にはお見通しなのかもしれません。
交流は無かったもののスプライトシュピーゲルの3人も登場しました。7月にスプライトシュピーゲルの2巻が刊行されるみたいですが、同じ事件を別角度から迫ったものなのか、この事件に関しては少し触れる程度なのか楽しみです。