ワンワン物語 ~金持ちの犬にしてとは言ったが、フェンリルにしろとは言ってねえ!~

疲れているときに、何も考えずに読むのにちょうどいい。ヒトと動物では味覚が違うとか、そういうことも考える必要はない。登場する生き物は、外側は異なっても中身はヒトであり、大きさが変われば質量も変わる不思議な変装。大きくなったら自重で動けなくなるのでは、とか考えてはいけない。妄想を楽しく形にしたのが本作なのだ。というわけで、特にコメントはないのだけど、疲れているときに設定の複雑な本は読めないな、と思うことについて少しだけ書いておく。

新型コロナウイルスの感染が広まったこともあって、休日の大半は本を読んで過ごすのだけど、疲れがたまっているのかそうでもないかで読む本の種類が変わってくる。(誰にも言っていないので)いい年してライトノベルを読むのか、といわれることはないのだけど、自分で思うときはある。でも、軽いものを読みたいときも結構頻繁にある。そういう時は、いわゆるなろう小説を読むことが多い。どれも一応編集の目は通っているのだろうけど、すでに多くの目を経ている作品をいじりたくないのか、設定が雑なものも多い。いちいちそれに突っ込むのではなく、そういう設定の下に何を妄想しているのかな、と思いながら読む。スライムのあれとかも、まじめに設定を理解しようとしている人はどれくらいいるのだろうか、原子が崩壊しても大丈夫?と一瞬考えるけど、これは超すごいこうげきなのだ、と読む側も若干馬鹿になりつつ読むのが楽しい。途中まではまあ、魔法がある世界だし、と思いながら読んでいたけど、最近魔力はどこからきているの?とも思うし、もしかしたらどこかに書いてあったのかもしれないけど、理解していない。

本作は、インチキくさい魔法の説明すらない。最強と言えば最強で、後半にそれを防ぐものが出てきたりもっと強いものが出てくることもない。最強と言えば最強なのだ。彼はとにかく戦いで苦労することはなく、大きくなったり光線を出したときにたぶん多くの無関係な生き物を殺しているだろうけど、気にしていない。変身の万能感がすごい。排泄も、恐怖を感じたときに失禁しているみたいで、そのおかげで作物が豊作だそうだけど、普段恐ろしいほど食べているのに排泄があるのかないのかの記述はない。あれだけ食べていて、その分排泄していたら畑だけでなく各地で木々が大きくなっていそうだけど。特にコメントはないとか書きながら、書いていると疑問点が出てくるな。抜け毛に圧倒的魔力が含まれているのに結構抜け毛が多く、燃えることもないのでどんどんたまっていそうだ。

否定的なことを書いているようだけど、疲れているときにはちょうどよかった作品で、人気もそこそこあったから7巻まで続いたのだろうと思う。小説家になろうでは、日常が描かれているそうなので、疲れたら読みに行こうかなとおもう。

 

おまけ

野生のラスボスが現れた

オーバーロードみたいな話かな、と思いつつ、フェンリルと同じく、あまり考えずに読める枠で2巻まで読んだけど、あとがきを読んで急にそのあとを読む気がなくなってしまったのでここで終了。続巻もたくさんあるみたいなので、好きな人には刺さる作品なのかもしれない。フェンリルと同じなのに、なぜ嫌になってしまったのか自分でもわからない。しばらくたったら、なんで読まなくなったのか忘れそうなので、一応感想を残す。