三雲岳斗 アスラクライン 9巻

アスラクライン〈9〉KLEIN Re‐MIX (電撃文庫)

アスラクライン〈9〉KLEIN Re‐MIX (電撃文庫)

 少し前には女の子になりたい男のこのための本が出版されたりしていますが、いつの間に女装がこんなに浸透したのかと思ってしまいます。今回は連作短編集でしたが、女装をした智春が何度も登場します。これまで女装をするひとにあったことがないのですが、といってももしかしたら会っても気がついていないだけかもしれませんが、身近な人間が女装をしてもすぐに気がついてしまうような気がします。そんなに交流がない人ならともかく一緒に学校に通ったりしているひとだったら声とかしぐさでわかりそうなものですがいかがでしょうか。
 連作短編集で、話のつながりはあるもののとても読みやすく、気軽に読めてたのしい作品でした。ところで作中で大きな虫が出てくるのですが、普通に考えるとある程度以上の大きさになってしまうと自重に耐えられなくなってくるので自然、動きは遅くなります。まあ、超常現象が普通にある世界観なのでここでの法則を当てはめても仕方がないのかも知れませんが、あの虫があの速さで動くためにはあの大きさが限度だと思います。ちなみにすごく苦手で、自分の部屋に出てきたとき以外は誰か平気な人を呼んでやっつけてもらいます。自分の部屋に出てきたのは一度だけ。このパソコンを購入したときです。きっと箱に入っていたのでしょう。ショックでいろいろと退治用品を買いにいきましたがその後は出てこないので活躍はしていません。
 人気があるのか結構順調なペースで刊行されていて、物語もおばかな話を交えつつ少しずつですが着実に進行しています。あと3冊ぐらいでとりあえずの終わりを迎えそうな予感もしますが、こうした予感はほとんど外れるので自信はありません。まあ、どれだけ続いてもかまわないのですが、小説の長さとして15冊ぐらいが限度かなあと思うところもあるので、ある程度の長さになったら一段落してほしい。第二部とか外伝があってもそれはそれで楽しめると思うので、そろそろ本編を本気で進めてほしいと思う作品です。