萩尾望都 山へ行く

山へ行く (flowers comicsシリーズここではない・どこか 1)

山へ行く (flowers comicsシリーズここではない・どこか 1)

 発売してすぐに買っていたのですが、とっておきのためにしばらく置いていました。疲れたときとか消耗したときに読もうと思っていたからです。特に読めば元気が出るわけでもないのですが萩尾望都作品は特別な感じがして、特別なときに読むことが多い。
 一部連作の短編集ですが、どれもすごい。今、いろいろともうすぐ先のことが決定する時期で結構消耗しているのですが、そんな精神状態でもすごさが分かるし、消耗した何かが満たされる気分になれる。ここはどうなっているのか、どういう意味なのかを考えながら読むと面白くて、きっと何度も読む作品になるでしょう。今回震えがきたのは最終話「柳の木」。細かいことは書きませんが、表情のすばらしさと静謐な中にある強さと想像力がもたらす生命力。本当にすばらしい。少しだけ元気が取り戻せました。