若木未生 メガロ・オーファン

 また若木未生さんが新しいシリーズを始めていました。これまで綺麗に終わったシリーズ物はあったのだろうかと思うくらい遅筆な作家さんです。それでも買ってしまうのは魅力を感じているからでしょう。
 若木未生さんはいつまでたっても「世界に受け入れられない子供たち」を描くのが上手です。こういった感覚は年をとるにつれて薄まっていくような気がするのですが彼女はいつまでもその感覚を失っていないような気がします。もうだいぶ前のことで、今の少年少女と話す機会があったとしたらきっと失ったものに気がつくのでしょうが、そんな機会も無いので若者のとがった感覚というか、世界に対する違和感を感じることが出来る小説は貴重なのかもしれません。知らないだけで他のジュヴナイルやライトノベルにもあるとは思いますが。
 物語は、異世界ではなく遺世界。召還された少年少女がなぜか戦いを強いられる。一巻なので設定紹介の度合いが強く、キャラクタもまだ動き出していない印象です。東京の高校に通う子どもたちのようですが、その理由もまだ明らかにはなっていません。名前だけで選ばれたのか、何か選ばれる条件があるのか。戦いを続けることが使命であるような表現もあったので、ゴールもまた見えていません。一巻だから当然といえば当然ですが。
 それにしてもイズミ幻戦記も出版社がころころと変わった挙句、新書で再発行されました(今のところ購入する予定はありませんが。既刊は持っています)。続きを期待していますが、まともに終わりそうのないシリーズをどこまで追いかけられるかちょっと不安です。今のところ、完結したら購入するつもりですが、その見通しもない上、さらにシリーズを抱えて今後どうするのかと思います。物語を終わらせてこそ作家、と思う面もあるのでその辺を何とかして欲しいところです。