竹本健治 キララ、探偵す

キララ、探偵す。

 メイド型ロボットが急に届けられた大学生と、そのメイドが機械ならではの頭脳を生かして探偵のような活躍をする話。竹本健治さんのこれまでの作風とは少し違った作品でしょうか。これなら新書とかで発行してもいいような気もしますが、なぜハードカバ(ソフトハードカバですが)で刊行されたのかよくわかりません。少々セクシャルな場面があるからかと思いましたがそれでも新書で十分ではないかと思います。今の技術ではどうしてもロボット(アンドロイド)は作り物めいたものしかできないと思うので結局は近未来ものなのですが、生きている間は無理だとしても、将来人間のようなロボットが活躍する日が来るでしょう。百年女王でもウォーカロンが登場しますが、あの天才をもってしても100年後にあのレベルだとしたら(それでも相当凄いとは思いますが)、ひとと見まがうまでの精巧な出来のロボットが活躍する日はかなり先だと思ってしまいます。
 それはともかく、完全に作り物だとして読めばそれなりに面白い作品ではあるのですが、あまり金額に見合った内容ではないと思います。電撃文庫でも十分だと思うのですが、著者につながりが無いだけかもしれません。話を読む限り、まだまだ続きが書けそうですし、続きがありそうな終わり方でしたが、続きを読むかどうかは保留ということで。