あれ、と思う部分も多い作品だったので他の人がどんな感想を書いているのか見てみました。
一応以下、隠します。
絶賛しています。
小説的にありえない」と叫んでしまいそうな、とんでもない展開に思わず苦笑いしつつも、ノンストップで引っ張られていく感覚がもうたまらないのだ。
いい楽しみ方だと思います。
蛇足。読んでいる途中から気になったのだけど、この作品はいわゆる「セカイ系」の一種なのでは?戦闘美少女(わはは)が登場するし、主人公は彼女に助けられるし。
これは同じ意見です。上遠野浩平さんに近いものを感じたので、同じ印象を受けたのかな、と思いました。
追記にあった
数学の天才でシュレディンガーの猫を知らないのはまずくない?
NSAを知ったのは『スニーカーズ』(ハッカー映画の最高傑作!)なんだけど、それ以来、本当に悪役でしか見たことない(笑)
が面白い意見。NSAは確かに悪役でしか見たことがありません。テロを防ぐとかいい面も見ようと思えば見えるのかもしれませんが勝手に通信を傍受していることがきらわれる原因でしょう。
個人的には前述したような数学的、物理学的言語も含め、確率論など、もっともっと薀蓄を交えて進めてほしかったと思うところだが、これ以上に過剰だと「難しい」と感じる読者もいるのかもしれない。私のようなバカにとっては読んでるだけで頭がよくなったような気がするのでそういう薀蓄は大歓迎なのだが。
同意です。理解していないかもしれないけど理解したつもりになるのがとても楽しい。薀蓄を説明する場面が不自然ではない(それを知らない登場人物がいて、説明する理由が自然である)ことに好感が持てる作品でした。もっとたくさんあっても良いと思います。
ただ、エンディング手前でファンタジー色(?)が強くなったのが、ちょっと気になりました。
昔読んだ、『ブレインバレー』(瀬名秀明:著)の終盤を読んだ時と、同じような印象を抱きました(ほんのちょっとだけですが)。
先日の感想には書きませんでしたが確かにこれも思いました。印象というか、結局向かう先が似た方向になるのではないかと危惧していたのです。実際にどうだったかは読んだときのお楽しみということで。
これは面白くなかったという意見。
わたしが一番嫌だったのは、この小説にはまったく「人間」が描かれてないことだ。作者は登場人物をゲームを進めるコマとしてしか扱っていない。サスペンスであろうとSFであろうと登場人物に魅力がなけりゃ面白くも何ともないというのに。分厚い上下二巻であるにもかかわらず、読み終わっても登場人物たちがどんな人間だったのかさっぱりつかめない
そうそう。これが絶賛できない理由のひとつです。話の流れ上都合のいいことが連続して起こったとしてもおかしくはないのですが、宝くじに当選した主人公の旧友の扱いがいい加減すぎるとか、登場人物の背景をなんとなく描いているにしても"属性"を与えただけだよなあという印象が強すぎるとか、人物描写には難点があったと思います。これは映像化された作品にも言えることで、同エントリでも書いていらっしゃるのですが、小説には小説にしかできないことをして欲しいという思いがあります。映像化を前提としているのかどうかはわかりませんが「映像化されると省かれてしまうであろう部分をあらかじめ省いている」と思いました。もし映像化した作品を見たらイメージどおりと思うか、思いがけない発見があるのか、という興味はあります。