新井祥 性別が無い

性別が、ない! (1) (ぶんか社コミックス)性別が、ない!  (2) (ぶんか社コミックス)
半陰陽の漫画家である新井祥が自らを題材とした漫画です。まず驚いたのが、半陰陽の人がそれほどたくさんいたのか、と言う事です。本人も作品の中でコメントしていますが、あまり悲劇的な書き方をしていないのが良いです。当然、マイノリティであることゆえの艱難辛苦はあったでしょうが、楽しく書けることを書いていることに著者の強さを感じます。ずっと読んでいると「えっと、心情としては男性だったっけ?」と考えてしまうことがありましたが、これは自分が性別にとらわれているからなのだな、と感じます。特に悪いとは思いませんが、半陰陽であることでそういった常識から離れた考え方ができるかと言うと、必ずしもそうではないでしょう。家族もあっけらかんとしていましたが、著者も自由な考え方を持っていると感じました。
新井祥さんのHPを見ると、結構男性的な顔に見えます。それでも若く見えるのはホルモンバランスのせいでしょうか。アシスタントの少年(今は青年か)も漫画のように女性に見えるかどうかはわかりませんがビジュアル系の顔ですね(そういった写真が載っているのだとは思いますが)。
○○を食べた話など、本当に可能なのかと思ってしまいますが、意外と自分のものならできるのかもしれません。リアリティはあるけれど、さほど重くも無く、同じ境遇にある人たちにとっても好ましい作品ではないでしょうか。