山本健人 素晴らしい人体

 

 

素晴らしき人生、と掛けているのだろうか。ちょっとした豆知識が多く、知っていることも多かった。ただ、あいまいだった知識が補完されることも多く、ためになったし、文章も軽妙なのでするすると読めた。自分の体の重さを意識していない、との話が作中であり、もちろんそれも感じるのだけど、子供を持ち上げたりすると、こんなに軽いのに自分と同じ内臓が詰まっていて動いているのだな、と感心する。脳もさほど大きさが変わるわけではないので、その気になれば子供サイズでも大人と同じ知的活動は可能なのだろう。他人と比べて頭蓋骨が大きい(帽子のサイズ的にそうおもう)のでおそらく脳のサイズもそこそこ大きいと思うのだけど、脳の大きさと知力に相関はあったかな。まあ、現実として大した能力はないので、関連があろうがなかろうが自分には当てはまらない。空き時間に少しずつ読むつもりだったのだけど、すぐに読み終わってしまった。少し前に、鳥はすごいとか、虫はすごいとか、植物はすごいとか、似たタイトルの本が出てきて、どれも面白かった。素晴らしい昆虫、とか素晴らしい鳥類、とかで、また別の視点から生き物のすごさを書いてくれるといいのになあ、と期待しつつ感想を終える。