浅井ラボ されど罪人は竜と踊る

されど罪人は竜と踊る 3~Silverdawn Goldendusk~ (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る 10 (ガガガ文庫)

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されど罪人は竜と踊る〈0.5〉At That Time the Sky was Higher (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る〈0.5〉At That Time the Sky was Higher (ガガガ文庫)

されど罪人は竜と踊る〈0.5〉At That Time the Sky was Higher (ガガガ文庫)

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著者のブログを見ているとどうも角川と揉め事があったみたい。作品自体は面白い作家さんなので、どうして続編が出ないのだろうと思ってはいたのだけど、担当編集者が失踪したとか(たぶん会社側は分かっていると思う)ものすごい話が有るそうだ。個人で戦って勝ったことはもちろんすごいことなのだけど、それに費やす労力を作品に使えたら、とおもうともったいない。
それはさておき、その後はガガガ文庫で順調に刊行している。ときどき、術の説明で引っかかるところはあるけれど、たぶん知識がついていっていない(読む側の)だけでしょう。ガガガ文庫での最初の数冊は再刊だとの話だったから購入していなくて、どうやって術を出すのかとか少し忘れかけていたので読み始めは少し読み進めるのに時間がかかった。
テンポよく話が進むので飽きる暇はない。ひとり倒したと思えばもうひとり、と次々に敵が現れるのだけど、こんなペースでこのレベルの敵が出てきたら今後大変だろうなあ、とおもう。
物語なので伏線が有るというか、かなり先の先まで読む人が登場する。その人の事を圧倒的な知性と物語中では表現しているけれど、果たしてここまで先読みすることができるのか。できるひとがいたらそれはもう、世界の覇者と呼んでもかまわないのでは。さらにこの登場人物は星の行く末まで考えていそう。自分が死んでからのことも決めていそうだし、もしかしたら死なないような工夫もすでにしているかも。たぶん、実際は不確定要素が多すぎてそこまでの推測は難しい。抽象的な未来予想はできるとしても、有る時点でその場所にいるに違いないというレベルでの未来予想は、先になればなるほど誤差が大きくなるし、そこまで具体的な予想が当たるとはおもえない。考えられる事柄のうち、いくつかの大き目の事象に布石を打っておき、あとからそれらしく見せるのが精一杯だろう。作中ではかなりの天才振りを発揮している、この人物像を見て思い出すのが真賀田四季。舞台となる世界が違うことと、積極的に世界にかかわろうとするかどうかという点を除けば非常に近いの印象。この作品は、単純に「敵がいました」「やっつけました」おしまい、ではないところがすきだ。パンハイマは、ひどい性格なのだけど、作中では光っているキャラクタだ。登場人物が多いので、続きを読んだ時にさっと名前と繋がらないキャラクタも多いのだけど、パンハイマはもう覚えた。今、一部完、とのところまで読んだけど、あんなことになろうとは。付き人に関しては、ちょっと想像していたけど、すごいなあ。面白い。