紅玉いづき 雪蟷螂

雪蟷螂 (電撃文庫)

雪蟷螂 (電撃文庫)

 これまで出てきたどの作品も著者の雰囲気を持っている作家です。今回は、相手を殺してしまいたくなる(食べてしまいたくなる)ほど愛してしまう一族の話。いい意味でですが、よく出来た寓話のようなイメージです。何かの寓意を感じるわけではないのですが、もっと話を抽象的にして絵本にしても良いのではないかとおもってしまいました。
 何がきっかけである人に惹かれるかというのは自分ではどうしようもない部分があると思います。立場を考えてあきらめてしまうこともあれば、それでもかかわらずのめりこんでしまうこともあるでしょう。そのよしあしはおいておくとして、そこまで好きになれるのは素敵かもしれません。現在では、ストーカと紙一重な部分もあって難しいところですが。
 いまどきは身分の違いなどはあまり感じないかもしれません。日本にいる限りはあまり部族のようなものを意識することもないし(自分は)、国籍を超えた恋愛も多々あるようですし。知り合いで海外の人と結婚し、その国に行った人がいますが、それはそれで大変そう。大恋愛だったようです。今は向こうで仕事を探していて、こちらで身につけた知識を活かせる資格を取ろうとしているようです。あ、関係ない話でした。ものすごくがんばっているみたいで応援したいので、ひそかに書いてみました。
 三部作ということで、今回の作品で一区切りです。次からどのような作品を書くのか楽しみな作家です。