筒井康隆 家族八景

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

 七瀬シリーズを読んでいなかったのでちょっとだけ読んでみようと思い購入。何年も前、もう何十年も前か、に書かれた小説とは思えない出来(なんと1975年発売)。会う作品と会わない作品がありますがすごい作家だなと思います。
 七瀬のテレパス能力が前面に出てくるのですが、内容は「一見普通に見える家族」の内情を暴くような作品です。こうして考えると何が普通で何が異常なのかはよくわからなくなってしまいます。結局スタンダードと言うのはある程度の幅を持っていてその中にいれば安心できるのかな、とか自分が特別だと思っている人でも実はその幅に含まれているのだなとか思いました。続編も機会があれば購入しようと思います。