雪乃紗衣 彩雲国物語 黎明に琥珀はきらめく

次第に政治の裏を見ざるを得なくなってきた秀麗ですが、まだへこたれません。この物語も最初は「王様と一緒になりました。めでたしめでたし」な話かと思っていたのに、どんな政治をすればどうなるかの思考実験のような展開になっています。それは、ライトノベルの中では比較的異色であると思うのですが、これからどうやっていくのかが楽しみ。今の展開だと「必要悪」のような話も出てくると思うのですが、それをどう処理するのか。夢をたくさん抱いているであろう若者が読んでいる文庫で、必要悪を受け入れられるような展開にできるのか、それとも。
政治家と官僚の違いなどにも触れていました。まあ、今の日本ではほとんど同じといってもいいような気もしますが、なかなか興味深い。
きれいごとばかりでは物事を処理しきれなくなるし、きれいごとを言わなくなってしまったら凡百の登場人物と変わらなくなってしまう。秀麗やその周りの人がどのような行動を選択し、その結果どのようになるのかがとても楽しみになってきました。