- 作者: 城アラキ,松井勝法
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/03/19
- メディア: コミック
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少し話がそれるのですが、お金持ちの人が無償で援助をしているとして、何か課題を課した時点でその人の人生を操ろうとしているのではないかと穿ってしまいます。もちろん、生きていくうえで十分なお金がないこともあるでしょうし、それを受けるか受けないかを選ぶのも本人かもしれない。でも、その判断が出来ない年齢のうちに判断を迫られたり、いつの間にか決まっていた事に逆らえないことと、何の援助も受けずにある程度選択の余地がある人生とどちらが良いのか考えてしまいます。その内容によって変わるとは思うのですが、特殊だと言える技能を身につけてから、これまでの人生は他人に操られていたものだった、と思うのか、素敵な世界に導いてくれたと思うのか。これは普通の人生にも言えることかもしれなくて、親の影響を受けるか他人の影響を受けるかの違いに過ぎないのかもしれません。伝統芸能とか技能もある意味それに相当すると思います。それで、上記のことを否定するのではなくて、幼い頃から何かを叩き込まれることにあこがれもあるのです。楽器が弾けたり絵が描けたり、何かを作ったりする技能をまったく持たないので、ないものに憧れているだけなのかもしれません。
「ソムリエ」の時にも思いましたが、城アラキさんのワインに対する思い入れには凄いものを感じます。日本酒や焼酎でも同じような製作時の物語や、それを背景とした物語を創ることはできると思うのでそれらの作品も登場して欲しいです。もしかしたらもうあるのかもしれませんが、残念ながら「夏子の酒」ぐらいしか知りません。知らない国の物語だからなおさら想像が広がるのかもしれません。こういった作品を読むとアルコールを受け付けない体質が少々恨めしくなります。安定して面白い作品でした。続刊も楽しみ。