東亮太 マキゾエホリック

 タイトルは西尾維新風ですが、内容はぜんぜん違います。小説で「ネギま」をしようとして失敗したような作品でした。これを面白いと思えないのはもしかしたら今時の少年少女と感性がずれてしまったからかもしれません。正直、あまり面白くありませんでした。タニグチリウイチさんはほめていらっしゃいます。まだまだ感性が若いのかもしれません。1月28日の日刊リウイチにはこうあります。

 なるほど登場するのは正義の味方に巫女にマッドサイエンティストにお嬢様に妖怪に座敷わらしに吸血少女に殺し屋少女。いかにもなキャラクターたちがいかにもな役回りで現れてはいかにもな行動を見せてくれて実に楽しい。けれどもそんなお約束的な楽しみ方は「マキゾエホリック」の本質ではない。記号的なキャラクターが持つ特質が、入り組んだ事件の中で必要不可欠な要素として取り入れられ、記号的なことを記号的だからと面白がって受け入れる、メタ的でお約束的な読み手の態度をもう一度、先に何が起こるか分からない物語を読みページを繰る楽しみへと引き戻してくれる。あるいは更に深い場所へと引きずり込んでくれる。


 本質を読めていない、と言うことかもしれません。このサイトは完全に好き嫌いで感想を書いていますが、リウイチさんはどちらかと言うと前向きにいろいろなライトノベルを捕らえようとしていると思います。それはメディアに携わるものとしての使命感なのか、ただ単に好みなのかはわかりませんが。どうもメタの視点は苦手です。作品の中に入り込みたいので、あまり読んでいる自分を意識したくはないのです。好みではありませんでした。