西加奈子「さくら」

さくら

さくら





何でもできてかっこいい兄と(わがままで頑固だけど)かわいい妹を持つ「僕」。その優秀な兄は事故に巻き込まれ重傷を負う。その後家族はどうなって行くのか。
兄の格好良いところがエピソードとして挿入されています。それはきっと、残されたものが美化している部分もあるのでしょう。どれほど超人でもそれを妬む人はきっといると思います。身近だと見えにくいのかもしれませんが、それも兄弟への愛情ととることができます。ちょうど泣けるような物語を読みたい時期でしたので、タイミングもよかった気がします。途中で犬が擬人化されるのですが「そろそろ散歩ですか?私はいつでも準備OKですよ」(こんな文ではないと思いますが。ちょっと記憶が曖昧です)みたいな描写が好きです。