初野晴 1/2の騎士

1/2の騎士 harujion (講談社ノベルス)

連作短編を、加筆修正して長編にしたような形式。一つ一つの話が面白いので一気に読むことができます。天気の話は面白かった。実際に、何とかできないだろうかと思ったし、専門家を育てればできるのではないかと思うのだけど、有る意味単純作業になるし、ご老人の方が経験もあっていいかもしれないけど、観測力が劣るかもしれません。もう少し煮詰めたらいい考えになりそうなのですが。
主人公の女の子は、女性が好きだそうですが、この話を読んでいる限りそうなのかな、と思ってしまいます。男性に対して結構寛容だからかもしれません。もちろん、誰も彼もが敵対意識を持っているわけではないと思うのですが。まあ、あまりその辺の知識もないので印象だけで終っておきます。
結構な厚みがある作品ですが、すぐに読むことができました。終り方は、まあ、自分も含め多くの読者が予想していた通りですが、これから先どういった関係を築いていくのだろう、とちょっとどきどきして終りました。後味がいいか悪いかはそれぞれの感覚によって違うのかもしれませんが、嫌いではありません。