霧島ケイ カラクリ荘の異人たち2

 ミギーのイラストが相変わらず良い。月見などの伝統的行事をすることはこれまでほとんどなくて、多分これからもほとんどすることはないでしょう。あまりお祭りも好きではないのですが、それぞれの個人の家で楽しめる(楽しむものかどうかはわかりませんが)ものは、もっともっと年をとってからしてみたいな、なんて思います。
 どんどん街からは闇が消えていって、それに伴って妖怪変化のようなものたちも姿を消してしまったのだろう、と言う話があります。人に想像力のある限り、形は変わっても妖怪はいるのかもしれません。想像力を失ったわけではないのでしょうが、その力を使う方向性が変わってしまったのでしょう。妖怪よりも怖いのは人間だ、とも言いますし。失われるものはどうしても尊く見えるかもしれませんが、失ったものを数えるよりもあるものを見たほうがいいのだろうな、と思います。失ったと思ったものが実は始めから持っていなかった場合もあったりして。