山形石雄 戦う司書と虚言者の宴

戦う司書と虚言者の宴 BOOK7 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と虚言者の宴 BOOK7 (集英社スーパーダッシュ文庫)

新しく登場する人物の能力を見るたびにジョジョの奇妙な冒険を思い出してしまいます。それだけ特殊能力者の戦いについては革命的だったのだと感心しますが、これからの読者は別の印象を受けるかもしれません。
今回はノロティを慕っていた少年が主に登場します。彼は武装司書と教団のつながりを知り、ノロティはそのために死んでしまったと解釈します。関係者の撲滅を考える少年は常笑いの魔刀シュラムッフェンを入手しました。比較的簡単に手に入ってしまいます。図書館の管理体制は大丈夫なのでしょうか。シュラムッフェンをシュムラッフェンと読んでしまいます。最近処理能力の低下が著しいかも。
このシリーズを構成するために欠かせないものは何か。何かひとつ失うと何も話ができなくなってしまう道具が「虚構抹殺杯アーガックス」です。あまりの便利さに、またかよ、と思った人も多いのではないでしょうか。それにしても仲間意識が強いのか管理が甘すぎます。仲間といったってこれまで何度も内部から反逆者が出てきているし、ただ単に面倒なだけかもしれませんが最重要アイテムがほいほい持ち出せるのはいただけません。
それはともかく、特に戦闘力に優れているわけではないオリビアがいろいろと策略を練る様は面白い。この巻の終盤ではちょっと気になる場面がありましたがそれでも全体として面白かった。そろそろ別の作品も読んでみたい作家です。