西尾維新 トリプルプレイ助悪郎

トリプルプレイ助悪郎 (講談社ノベルス)

トリプルプレイ助悪郎 (講談社ノベルス)

まんが雑誌「シリウス」に掲載されていたという小説です。中途半端にキャラクタが確立できないまま終わってしまった感があります。それでも、一葉と二葉の関係にはおっと思いましたし、西尾維新らしさは随所に現れていました。
それにしても、そんなに頭が良い子供がいるのか、と思ってしまいます。頭の良い子供は確かにいるのでしょうが、体外的な人間関係にあれほど大人びた対応ができる子供を見たことがありません。小説内のキャラクタだと思えば気にならないのですが、どんでん返しをもってくるのなら多少現実味があるほうがいいような気がします。そうでないと、衝撃が少ないというか、あ、そうだったので流されてしまいそう。「りすか」の創貴のように始めからそういったキャラクタで通すならまだしも、今回は少々違和感がありました。あと、事件の内容も、うーん、となってしまうもので、犯人の目的とか方法は西尾維新らしくてとても良かったのですが、そこまで考える人がそこを見落とすかなあ、とか、その方法でそこまでなるだろうかと思える方法だったので乗りきれませんでした。そことかそのとかばかりですが、一応内容に直接触れるのは避けているつもり。西尾維新のファンなら楽しめますが、これが初西尾維新なら第一印象は少し悪いかも。