そらみよ
宙のまにまにが面白かったので、つい天文部と帯にあったこの本を購入してしまいました。もともと一冊で終わらせる予定だったのか、いろいろ詰め込みすぎて失敗してしまったような印象はあります。突飛なキャラクタはなじむまでにもう少し時間と量が必要かもしれません。そういうキャラクタなのです、と押し付けられてしまっている。もう少し時間をかけたら良い(好みのと言う意味)作品になったかもしれないと思うと残念。
宙のまにまにと比べて、天文に関する話題が少なかった。とってつけたようなNASAへの志望動機。宇宙に行って何かがしたいのか、それとも宇宙に関する学問を学びたいのか、未踏の領域に踏み入れたいと思っているのか、ただ単に宇宙にあこがれているのか、何もわからない。頭が良い、星が好き、NASA。わかりやすい記号なのかもしれません。どちらかと言うと、宇宙への思いを描くよりも、友人関係で悩んでいる少女が新しい人間関係を築く過程を描きたかったのかなとの印象でした。
内気な自分を何とかしよう、思っているだけではなくて伝えたいことは声に出さないと、と言うのはその通りかもしれないし違うかもしれない。かも知れないではなくて、時と場合によることもいずれ知るのでしょう。