ジム･ブッチャー ドレスデン・ファイル 魔を呼ぶ嵐

ドレスデン・ファイル―魔を呼ぶ嵐 (ハヤカワ文庫FT)

　シカゴでただ一人魔術師として生計を立てているハリー・ドレスデンは、本当に魔法を使える魔法使い。手品でもなく、うそでもない本当の魔法使い。設定だけ見れば海外のライトノベルだろうかと思ってしまいがちです。でも、ハリーが使える魔法はそれなりにすごいものでも制約があったり限界があったりで使い道にも制限があります。魔法は要所要所で登場しますが、どちらかというとハリーの機転とか知恵が感心するポイントかもしれません。裏社会、といってもマフィアなどだけではなく、吸血鬼がいたり、悪い魔法使いがいたりします。
　ハードボイルド・ファンタジィとありますがそれほどハードボイルドでもなく、女性に弱いあたりが最近の人物像だな、と感じさせます。女性に弱いといっても、年上で小柄で、ぽっちゃりとした女性刑事に弱い場面がほとんどで、ルパン三世でいう峰不二子のような登場人物はまだ現れていません。人気シリーズものだそうなのでもしかしたら今後登場するかも、と思っています。
　翻訳された小説は苦手なのですが、この作品はすらすら読むことができました。続編が翻訳されたらまた読もうと思います。