西尾維新 刀語 薄刀 針

刀語 第四話 薄刀・針 (講談社BOX)

　相変わらずの面白さです。今月はこれまで引っ張ってきた話をあんな形で終わらせてしまったことに笑ってしまいました。紙面を多く割いたのは姉の七花。病弱だけれど最強、という設定でしたが、おそらく勢いあまってか敵に回ってしまうのだろうなあ、と予想。それでもそんな予想をあっさり覆すのが西尾維新なので、今後も楽しみです。今回はちぇりおが無かったのが残念。
　切り絵のような味わいの竹さんのイラストですが、この形式自体はあまり気に入ってはいないものの作品にはあっているなと感じます。登場人物のキャラクタや行動の説明がそれなりにされているものの、他の理由がありそうだとかそんな理由は無いだろうという理由付けが多く、普通の小説としてみたら不満が多いと思います。それでも会話が面白かったり、無理やりでも面白いので良いと言えばいいのですが、現代の絵本(現代に絵本はもちろんあるのですが)と言うか、現代風の「日本昔話」のように思えば楽しみやすいかもしれません。この表現で思っていることが伝わるのかどうかわかりませんが、まあ、そんな感じ。