山形石雄 戦う司書と追想の魔女

戦う司書と追想の魔女 BOOK5 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と追想の魔女 BOOK5 (集英社スーパーダッシュ文庫)

ハミュッツ・メセタが隠していたことが明らかになった巻です。新たに登場するキャラクタの多くが死んでしまう作風なので感情移入をしにくいところがありますが、それはそれで嫌なものではなく、今までにない小説ではあると思います。 しばらく離れていると魔法がどんな設定だったのか忘れてしまいます。そこが難点といえば難点ですが、読むうちに大体は思い出せるので、そこもまあ、ありです。
幸福とは何なのか。ひとによってそれは異なるし、おそらく成長してきた環境によるものが大きいのではないかと思います。最近ではメディアの影響も大きいですが。以前はメディアに毒されていたな、と思うような幸せを積極的ではないにしても求めていたのですが最近は平凡な日々が幸福に思えます。もちろん、これから生きていくにつれて嗜好は変わっていくと思いますが、今の生活もそこそこ幸せだな、と思えます。
作品はまだまだ続くようですが、純真なものほど深みにはまりやすいとか、変な方向にいってしまいがちだと描かれることが多い作品なので、若年層にどう受け止められているかが気になるところです。中高生のころは変に斜に構えた態度を取ってしまいがちですが、正しいと思う道を選ぶことが格好悪いとは考えて欲しくありません。ミレポックは今回旧友に対して取った態度を思い返すときがくるのでしょうか。そのとき、どう思うのかを描いて欲しいと思います。