ヤマグチノボル ゼロの使い魔 9巻
- 作者: ヤマグチノボル,兎塚エイジ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/09
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (111件) を見る
登場人物の死をどのように描くのかはとても難しい問題だとは思いますが、今回の展開は感動の一面もあった物の少し残念です。主要な人物となってしまったら(特にライトノベルでは)、死んでしまうことで読者からの風当たりも強くなってしまうかもしれませんが、その他大勢の死をそれなりに重く描いていたのだから、身近なものの死についてもきちんと受け止める作品になっても良かったのではないかと思います。以後登場させることは難しくなってしまいますが、回想シーンなどで描いても、深みが増すことはあれ、安っぽくなることは無いと思います。
まじめな話を切望する反面、これまでどおりどたばたコメディもはずさないでいて欲しいと言うのは多少わがままでしょうか。女性の登場人物ばかりが増えてきたので(しかもかなりの割合で好かれている)、それぞれの登場機会を考えると一人一人の割合はどうしても減ってしまうでしょう。ルイズが他の女性を気にしてその女性たちの特徴を取り込もうとするところはいじらしいです。本当は才人はルイズに惹かれているのだし、彼女自身のいいところ(どこだろう)を伸ばそうとしたほうがいいと思うのですが、そのあたりはまだまだ思春期真っ盛りの少女なので気がつかないのかもしれません。まあ、大人でも難しいところですが。この巻では最近あまり出番が無かったタバサが登場し、来月には外伝も発売されるらしいので少し楽しみです。