角川春樹 わが闘争

わが闘争―不良青年は世界を目指す

わが闘争―不良青年は世界を目指す

 出版会の革命児、角川春樹さんの自伝です。自分はスサノオノミコトの魂を持っているとか、松尾芭蕉を超えたとか、一部分だけ見るとものすごく電波な人に思えてしまいますが、いいものを良いと言い切れる、そして、的確な売り方が出来ることはやはり才能でしょう。
 彼は小説や本の内容を必ずしも好きではありません。でも、小説を書いている人を見ているし、小説を届ける相手を見ています。だからこそ、売れるやり方が可能なのでしょうし、付いてくる人も多いのだと思います。
 このような突出した兄弟を持つ歴彦さんも大変だな、と思います。実際どのような方かわかりませんが、想像するにまじめな方なのでしょう。堅実に育て上げようとするものと、奔放に振舞うものが、他人同士ならば対立することもなかったかもしれない、と思います。