ヤマグチノボル ゼロの使い魔 2巻、3巻

ゼロの使い魔(2) 風のアルビオン (MF文庫J)ゼロの使い魔〈3〉始祖の祈祷書 (MF文庫J)
 ルイズの旧友で、王女のアンリエッタは、「土くれのフーケ」を捕らえた才人たちに依頼を持ち込んできた。それはアルビオンの皇太子から手紙を取り返してきて欲しいと言う内容だった。政略結婚を控えたアンリエッタは皇太子への愛情を隠す必要があり、恋情をしたためた手紙は処分しなければならなかったからだ。依頼を果たすため、ルイズの婚約者であるワルド子爵とともにアルビオンへ向かうルイズたち。ルイズと才人は依頼を果たすことができるのか…(2巻)
 ルイズとの距離が近づいたような気がしていた才人だが、素直では無いルイズの態度から嫌われていると誤解する。そんな時、自分に好意を寄せてくれるメイドのシエスタに迫られ、揺れ動く才人。キュルケの国では生まれに関係なく貴族の資格が得られることを知り、宝探しに向かう才人。その途中で立ち寄ったシエスタの故郷で才人はあるものを発見する…・(3巻)
 1巻の感想はここです。話す剣が登場してきたり、異世界との繋がりが見えてきたり、他の作品の影響を大きく受けている印象の作品です。設定が似ていることはあまり悪いとは思いませんが、その設定を生かした物語にして欲しい、と思います。
 作中で気になるキャラクタはタバサです。いろいろと頭の中は考えが渦巻いているのでしょうが、実際に口にする言葉はほとんどが単語。このような体験があるし、似た傾向があるので気になるのでしょうか。もっと活躍して欲しいところですが、物語の舞台が大きくなると、魔法使いとしては力不足かもしれません。今のところ地味な役割しか与えられていないので、今後出番があるとうれしいです。
 おそらく、召喚される対象に法則性は無いのだろう、と思います。平凡な高校生である才人が、この世界にやってきたことで与えられた力と、それに惑わされずに「普通」でいられるかどうかが今後の焦点では無いでしょうか。
 作中、ある人物がもと居た世界と繋がりがあることはあまりにも明確に提示されています。いきなり表れる設定を除いて伏線もほとんど丸見えですが、ミステリではないのでそれでも良いと思います。むしろ、いきなり最強設定の何かが現れたり、謎のアイテムですべてが解決するよりも、少しずつでも世界の説明をして欲しいです。
 ところどころで生活について記述がしてありますが、窓ガラスはどうやって作っているのでしょうか。ちょっと気になっただけです。