
- 作者: 雪乃紗衣,由羅カイリ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/09/28
- メディア: 文庫
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彩雲国物語第4弾です。ここまで順調に読み進めてきましたが、やはり十二国記には及ばないかな、というのが正直な感想。しかし、これがデビュー作であることですし、さほど厳しい目で見なくてもいいとも思っています。
今回のメインはお茶です。少しずつ生活が表されてきているでしょうか。色分けされているはずなのに茶州だからお茶が名産というのはありですかそうですか。燕青はいい男だな、と思う一方、似た境遇のはずの静蘭が少し子供っぽく見えてしまいます。それも、燕青あってのことらしいので、さすがは燕青と言っておきましょう。こめつきバッタ呼ばわりですが、それも気にしない。大きな男ですね。
香鈴は何歳だったかな、と早くも思い出せない設定が出てきました。まず間違いなく影月よりは年上のはずですが、次第に惹かれつつある姿はかわいらしいです。登場人物ほとんどか過酷な人生を乗り越えてきており、それでもたくましく生きているのですが、年齢よりは大人じみています。秀麗に恩返しをしようとする香鈴ですが、ようやく子供らしい姿が見えます。あまり早く大人にならなくても良いのだよ、と言ってあげる大人はいません。それだけ、世界は過酷なのでしょう。だから、無関係な神の視点から見ている読者として、そういってあげたい気分です。
官吏になることに全精力をつぎ込んできた秀麗ですが、ようやく恋に目覚めそうな雰囲気です。見守っているつもりの彼はどこまでその気持ちを抑えることができるでしょうか。茶州に到着し、これから州牧としてさらに実力を問われることになるであろう秀麗と影月ですが、少しは潤いのある人生を歩んで欲しいかも、と思ってしまいます。もう一人浮世離れした彼がどうかかわるかも少し楽しみ。
ところで、見た目は十人並みなのになぜか男前にもてるという話をどこかでたくさん読んだような気がして、もやもやしていましたが、わかりました。漫画家マリナです。そういえばあのシリーズは途中で立ち消えてしまったなあ。としみじみ。このシリーズはぜひ完結させてもらいたい、と思います。