秋山はる すずめすずなり 2巻
- 作者: 秋山はる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: コミック
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いずれ入居者が去っていくであろう、と予想はしていましたが、こんなに早い段階でその話題が出てきたことに少し驚きました。多恵子ちゃんに諭すかのように語りかける美代さんはさすが年長者だけあって、物事の流れがわかっています。それを素直に受け入れられない多恵子ちゃんは幼いといえば幼いのですが、その意固地さが(アフタヌーン読者にとっては)かわいらしいかもしれません。鈍感な主人公が、主人公に片思いする女性の前で、関係性を思いっきり否定するのは少女漫画でよくある展開でしょうか。実際にも似たような話はあるかもしれません。それだけに感情移入しやすい場面です。お酒を飲まないので泥酔した時記憶が失われていたり、自分の思いを口に出したりすることはありません。本当に憶えていないのか、と疑問に思うときもありますが、これだけ世間一般に広く語られている話なので、きっと本当なのでしょう。
多恵子ちゃんの父親の話とか、1巻で示された伏線は今回あまり語られませんでした。それほど長いシリーズにはならないような感触なので、もうじき明らかになるでしょう。もしかしたら伏線投げっぱなしになる恐れもありますが、それは避けていただきたいところ。主人公の橋本君がどうして同僚の彼女を好きになったのかがよくわかりません。つじあやのに似たもう一人の同僚でもかまわないような気もしますが、何か好きになるきっかけがあったのでしょう。あまりぐだぐだと続ける内容でもないと思うので、キリのいいところでまとめてほしい作品です。