作画/夢路キリコ 原作/冲方丁 シュヴァリエ

シュヴァリエ(1) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(1) (マガジンZKC)





 舞台は18世紀、フランス。乙女の血を以って詩篇を綴る犯罪が横行する。詩人の処罰に暗躍する女騎士、シュヴァリエスフィンクスシュヴァリエの魂は近衛騎士デオン・ド・ボーモンの体に宿り、詩人が近くに現れたときのみ表に現れる。詩は滅びることなく、詩人の死とともに次の詩人に受け継がれる。シュヴァリエ、デオンの正体とは?この世界における詩の役割は?
 まだ物語は始まったばかりですが、夜中になると変身する主人公、一見能無しに見せかけて実は実力者、意味深な言葉遊び、大人びた子供の従者など、伏線は山盛りです。伸ばそうと思えばどれだけでも伸ばせそうだし、伏線のまま終わらせようとしても構わないような感じもします。正直まだ良くわからない話の展開で、あとがきにどんどん広がっているとのコメントがありましたが、きちんと纏められるのかどうかが不安です。
 主人公は実在の人物がモデルだそうです。
  作画担当の夢路キリコさんの絵は荒々しさの中に繊細さがあって、絵柄としては好みですが漫画で読む分には少し読みにくさを感じます。でも、中世ヨーロッパの禍々しさが出ていて、作品の雰囲気にあっていると思います。彼女のあとがきは読まなければ良かったかも。ちょっと電波ちゃんなのでしょうか。まあ、作家のキャラクタは作品には(あまり)関係ないので、このままの絵で続けてほしいと思います。表紙のシュヴァリエはものっすごく顔が小さくてかなり髪の量がありますね。デフォルメしすぎかも・・・。
 田中芳樹さん同様遅筆の作家である冲方丁さんですが、冲方さんは他の事に手を出しすぎとか、文芸界を盛り立てようと頑張りすぎだからかもしれません。ところで「ピルグリム〜」はどうなったのでしょうか。雑誌は買わないので本屋さんに行った時に見かければ購入しますが、本屋さんに通う間が空いてしまうと見逃している可能性もありますね。