[読了] 誉田哲也 武士道エイティーン
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/07
- メディア: 単行本
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今回は高校を卒業して大学生になるまでを描いています。ライバルがいて、切磋琢磨して成長する姿は王道といわれていても、なんども似たパターンを読んでいるとしてもやっぱり面白いものは面白い(面白くないものももちろんある)。以前剣道をしていたころ「剣道は一生できる武道だからな」といわれたことを思い出します。今となっては続けていても良かったかしらとおもわないでもないですが、当時は勝ち負けにこだわっていた気がするし、体格に劣るのをひしひしと感じていたので続ける気力がありませんでした。若いうちは勝ち負けにこだわるのもありかな、ともおもいます。そんなころから悟りきっているなんて、漫画や小説では有るけれど実際にはいなかったですし、いろんな過程を経て成長する方がいいような気がします。ところで、この作品では技術とか精神面に触れていることは多いのですが、あまり体格について触れていないのではないでしょうか。とくに、主人公の二人以外の部員では、非常に描写が少ない。たぶん、体格による絶対的な差を書きたくなかったのだろうとおもうのですが、現実には剣道という「競技」では体格差を乗り越えることは難しい。できればキャラクタの一人に体格差で「勝つ」ことをあきらめるけど剣道は続ける、というひとが欲しかったかも。
それはともかくとして、対照的とまではいえないものの、特徴的な二人のキャラクタがとてもよく、それぞれタイプによって成長し方が異なるのが面白い作品です。映画は映画館に行くかどうかはともかく観る予定。