柳広司 ジョーカーゲーム

ジョーカー・ゲーム

ジョーカー・ゲーム

 面白い。とても面白く読めました。物語は超絶能力を持つ結城というもとスパイが後進を養成するため作ったD機関という組織で育てられたスパイが主人公です。絶対にスパイにはなれないなあ、と思いながら読んでいました。時代設定もちょうど技術の成熟度と社会が舞台にあっているのではないかと思います。
 今でもきっと諜報活動をしている人はいて、007ではないでしょうが、その当時の技術を駆使しているのでしょう。今では科学技術の進歩が成果に直結している面もありそうですが、やはり情報を扱うのは人なので活躍する場面はありそう。科学技術は便利かもしれませんが証拠が残ってしまうし(ちょっと怪しげな脳指紋)という技術も出てきていますが)、まだまだ人間の能力のほうが上かもしれません。客観性は道具のほうがもちろんありますが。
 これはとても面白く読めました。第一話ですでに引き込まれるし、最後まで読み終わっても続編が読みたい、と思える作品です。続きが最近出たみたいです。すぐに買わなくても文庫化まで待ってもいいかも、とおもうのですが買ってしまうかも。