モーティヴ 3巻 4巻

モーティヴー原動機 4―リフュールド (ヤングキングコミックス)

モーティヴー原動機 4―リフュールド (ヤングキングコミックス)

絵から熱さが伝わってくる作品です。好きなのは好きなのですが、ひとには何をどう伝えたらいいのかよく分からない作品でもあります。
世の中いろんな生き方があって、旅で辿りついた土地で少しお金を稼ぎ、次の旅の資金をためるひともいるし、その土地から一生でないひともいる。どちらが良いとも悪いともいえませんが、どちらかというと引きこもりがちなので後者に近いかも。
自由にしている風なひとをみると、一瞬うらやましいなあとおもうのですが、それを自分がするとなるとたぶんできない。すでに精神が自由ではないのかもしれません。囚われた精神で、果たしてどこまで自由にできるかというと、意外と自由度は高いように思えます。何度か例に出したことがありますが、米原真里さんがエッセイでバレエでは動きに制限が有るからこそその範囲内でどのように表現するかを考えることができるという主旨で書いていました。何も縛りがないと逆に難しい、何をしていいかわからなくなってしまいそうです。学生から社会人になるときは自由がなくなるような、学生としての縛りがなくなるような、不思議な感覚でした。今はすっかり会社の言いなりですが。まあそれは置いておくとして、主人公の二人は同じ年で社会人と学生に別れてしまいました。年齢が離れている方が、社会人と学生、という関係性ではいいのかな、とおもいます。一方は、社会に出た相手が自分よりも一歩先に進んでいるように思えるし、もう一方は自分はもう社会の歯車になってしまったのに相手はまだ学生で楽しそうにしているとおもえてしまう。お互い相手のフィールドにいる異性の方が魅力的なのではないかとかんぐってみたり。それは穿ちすぎか。学生のころに戻りたいとは思いませんし、こんな熱い若者ではなかったので全く違う世界のお話ですが、面白い作品でした。「モーティヴ」はまだ続くようです。