西尾維新 偽物語(上)(下)

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(下) (講談社BOX)

偽物語(下) (講談社BOX)

このシリーズは本当におもしろい。あまりメタ視線の作品は好きではないのですがこの作品ではそれも楽しめてしまう。会話の妙があります。アニメ化されるとどんなものになるのか楽しみ。西尾維新さんは、デビュー作からすべて購入しているのですが(雑誌除く)、正直初めのころはどれくらいこのペースが持つのだろうとおもっていました。勢いが大切でもある作風なので、それがなくなってしまうとどうなってしまうのかな、と。しかしそれは杞憂で、いまや大人気作家となりました。それでも彼自身はペースを乱すことなく創作をつづけているので嬉しいです。もしかしたら乙一さんみたいに、ちがった表現方法に進むのかなとも少しおもっていたのですが、今のところその心配もなさそうです。
 「本」のスタイルが好きで、まあ、その理由はいろいろとあるのですが、一番なのは自分の想像力が入る余地があるからかな、とおもいます。もちろん映画などでも表現されていない部分を想像したり、振る舞いからその人物の背景を想像したりすることはできるのですが、文章だと想像する量が多いというか、映画だとあるていど限定されてしまうというか。どちらが優れているとかではなくて、単に好みの問題。