- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/03/13
- メディア: 単行本
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この作品では還暦を迎えたおじさんたちが主人公ですが、最近の60歳は確かにまだまだ若くて、仕事をやめてしまうのももったいないと思います。とはいっても三人中ふたりは自営業なので仕事はやめていませんが。
キャラクタとしては一番「危険」なおっさんのノリさん。年をとってから生まれた子はかわいいのだというし、最愛の妻から生まれた娘とあっては目に入れても痛くないくらいのかわいがりようだと思いますが、その愛情の表し方がおもしろい。おもしろいし格好いい。機械に弱いのでいろいろと改造できたら楽しいだろうな、と思います。
登場する人物に、読んでいてこちらの気分が悪くなるほどの悪人がいないのも作品(作者)の特徴ですが、よーく考えると気分が悪い人もいて、あまりそういった感情が表面に出てこないように表現を工夫しているのがわかります。エンタテインメント小説なので、読後感が不愉快になるよりも楽しくなるようにしているのかもしれません。
物語はとりあえずまとまっているのでこれはこれで終わりで良いのではないでしょうか。べた甘ラブコメの旗手とされているので、あえて還暦のおじさんたちを主人公にしたような気も若干しますが、次はどのような人が主人公でしょうか。楽しみ。