時雨沢恵一 キノの旅 

キノの旅〈12〉the Beautiful World (電撃文庫)
 短編集なので全体的な感想ではなく、一部の作品の感想を。どの作品かは書きませんが、失われた技術があったとして、そのことを理解せずに再現することはどの変のレベルまで可能なのかなあと思いました。たとえば自動車を作る技術があれば、設計図があれば飛行機を作ることも可能でしょう。元となる技術は一緒なので、揚力などの知識がなくても作れると思います。では、まったく通信技術がないのに光ファイバを作れるのか。これもまあ、思いつきませんが他の分野で似た技術があれば作れるかもしれません。そう考えていくと、もし反重力の乗り物が今の技術で作れるのなら作れるのか、とか考えるのですがおそらく無理でしょう。理由は原材料がないとかかも知れませんが、基本的に科学技術というのは下位互換だと思うので、昔の物を再現することは出来ても知らないものを作るのは出来ないのではないでしょうか。日進月歩というか、少しずつ進んでいくし、意味がある進歩を経て現在に至っているのだと思います。で、何が言いたいかというと、作れたんだからその性能はわかるだろう、と。何のことを言っているかは本作を読めばすぐわかるのですが、特にお勧めはしません。シリーズ物だし、いきなりこの巻を読んで面白い作品でもないと思うので。
 寓話としては面白いのですが、意識の流れとしてそれはないだろうとか、発達の仕方としてそれはないだろうとか思うところがたくさんたくさんあるので、そろそろ読まなくてもいいかな、と思い始めています。どこかのサイトで最終巻が出たとかの情報を見たらまとめて買うかもしれません。