渡瀬草一郎 空ノ鐘の響く惑星で 外伝

出版されるのかな、されないのかなと思っていた待望の外伝です。どのキャラクタが出てきても嬉しいし、あのキャラクタが出てこないと物足りない。こんな作品はとても珍しく、どんどん外伝を書いて欲しいと思う一方で、物語を綺麗に完結させたので後は想像するだけにしたいとの思いもあります。
外伝だけあって、本編の主人公であるフェリオやリセリナ、ウルクなどはあまり登場しませんが、シルヴァーナとかライナスティとかディアメルとかのその後が読めてとても楽しい。シアは活躍するにはまだ幼げですが、過酷な幼少時代を忘れることができたのかどうかはわからないものの、少なくともあの後は幸せに過ごしてきたのだな、と思えて嬉しい。子供たちも結構年代が近いので今後もこの子達でいろんな物語が創られていくのだなあと想像できます。良い話ばかりではなくて、悲しい話もありますが読めてよかったなと思える話ばかりです。本編を既読の方は外せない一冊ではないでしょうか。