海冬レイジ かくてアダムの死を禁ず

 海冬レイジさんの作品は初めて読んだのですが、会話に西尾維新の影響を受けているのかな、とかんじる部分がありました。読む順番が前後しているだけかもしれません。物語はバーチャルな世界を現実の世界に再投影したような世界です。騙しあいが面白いと思える部分もありましたし、ちょっと無理があるかな、と思える部分もありました。最近流行りなのか帯には「ゴス・ツン・謎の三拍子」とあります。特にこれらの属性に思い入れがあるわけでもなく、特にツンデレについては若干食傷気味なのでそろそろ違った展開もあっていいのかな、と感じますがあったらあったで型にはまった面白さがあるとは思います。主人公が「能ある鷹は爪を隠す」タイプなのか、半分天然なのかはこの一冊ではよくわかりませんでした。シリーズ物らしいのですが、主人公の少年と、「ゴス」の少女が連続して登場するのは無理があるような気もします。それだけに、どのように続編を描くのかが楽しみでもある作品です。