夏希のたね 戴天高校勝利部

戴天高校勝利部 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戴天高校勝利部 (集英社スーパーダッシュ文庫)

 実際に少女に見える少年を見た記憶がありませんが実在するのでしょうか。いたとしても小学生ぐらいだと思うので良くある「少女に見える少年」の設定に現実味は感じません。ただ、現実味を求めているわけではなくて物語としての面白さを求めているのであまり気にはしません。
 この話も良くある話だったかもしれませんが「勝利とは何か」を考えているあたりが良かったです。主人公の少年が難関を乗り越える過程はあまりにもご都合主義過ぎますし、その少年が恋焦がれる先輩も一応無敵の存在ではあるのですが「持てる者が有利である」ことを前面に打ちだしている気がします。つまり、作者の考える「最強」とはそういうことか、と受け止めてしまいそうですが、そこまで考えていわけでもなさそうです。
 実は〜だった、との設定は特にいらなかったと思いますが、天才、超人がインフレを起こしてしまっているのでそれぐらいは必要だったのかもしれません。あまり活躍できなかった部員の真の実力など今後見てみたい部分もありますし、同じ手は通用しないと思うので主人公の彼が今後どのように戦って行くのかにも興味があります。次回作で今後も読むかどうかがきまりそうな作品でした。