[読了] 森博嗣 τになるまで待って

τになるまで待って (講談社ノベルス)

τになるまで待って (講談社ノベルス)





 山吹早月と加部谷恵美、そして海月及介の3人は赤柳初朗に誘われて、アルバイトとして伽羅離館へと向かう。そこには自称超能力者の神居静哉とアシスタントが居た。アルバイトの内容も知らされず館へ向かう3人。到着した時、館には先着者が居た。神居の取材に来ていた記者とカメラマンだ。神秘的な神居とそのアシスタント。不可解な構造を持つ館で事件は起こる・・・。
 森博嗣さんのGシリーズ第3弾です。大学生の3人のうち事件に興味を示すのは加部谷のみで、あとはいたってクールなもの。実際にこのような事件に遭遇したら固まってしまい、動くことはできないかもしれませんね。海月は犀川先生の縮小版のようなキャラクタで、ほとんどしゃべりませんが周囲は慣れているようです。国枝先生も含め扱いにくい人物ばかりですね。でも、それがいいのです。ほとんど出てきませんが、西之園萌絵のおばがいい性格をしています。もっと登場して欲しいところですが、この頻度が彼女のキャラを際立たせているのかもしれません。ひとつの事件は終わったとしても、全体としてまだ物語は序盤。これから次々に明らかになることがあるのでしょう。
 今の段階で書ける事はあまり無いのですが、メモとして少しだけ記録しておきます。未読の方は読まないでください。
 犀川先生の活躍で事件のからくりは判明したものの犯人はまだ捕まっていません。謎もまだたくさん残っています。伽羅離館は何の目的で建築されたのか。神居たちが聞いていたラジオとは。神居はおそらく操られていたのでしょうが、何の目的で?また、赤柳の正体は多分彼ですが、彼は何を探っているのか。そして最大の謎である真賀田四季はこれらの事件にどう絡んでくるのか。謎は尽きず、今後に期待されます。