浅田寅ヲ 甲賀忍法帳・改 1、2巻

甲賀忍法帖・改 (1) (角川コミックス・エース)甲賀忍法帖・改 (2) (カドカワコミックスAエース)




 伊賀と甲賀は不戦の約定を締結していたが、徳川家康の命によりその約定は解かれた。折しもその頃、伊賀の党首、朧と甲賀の党首、弦之介は恋愛の真っ只中にあった。二人は不戦が解かれたことを知らなかったが、両軍の争いはすでに始まっていた・・・。
 山田風太郎原作のコミカライズ。山田風太郎作品は評判がいいのですが、まだ読んだことはありません。伊賀と甲賀の戦いと言っても着物を着ていたり手裏剣が飛び交うわけではなく、舞台はそのままに設定を異世界に移したような感じでしょうか。
 いがみ合う両者の継承者たちが恋をする、と言う物語はロミオとジュリエットのように一般化された話かもしれません。良くある話だけれど、それだけに感情移入しやすいのかもしれません。 浅田寅ヲの端正な絵で描かれているためなのか、あまり悲壮感は伝わってきませんが、オリジナルを完全に自分のスタイルにしているように思えます。
 物語は原作がある作品で、すでにどのような終わりを迎えるかは周知です。それだけにストーリィをどのように解釈し、表現するかが問われる作品です。思えば、「バジリスク」は比較的ストーリィに忠実だったのではないでしょうか。これが 浅田寅ヲ の手にかかるとこのような作品になるのか、と言う驚きが楽しみでもあります。
 アングルが二転三転する 浅田寅ヲ の画風で、一コマ一コマ理解しながら読み進めようとしているため読み進めるのに結構時間がかかります。でも、 浅田寅ヲは好きな絵師の一人なのでもちろん嫌なわけも無く、今後どのような展開になるのか楽しみです。