[読了] 一色登希彦 モーティヴ

モーティヴー原動機 1―リフュールド (ヤングキングコミックス)モーティヴー原動機 2―リフュールド (ヤングキングコミックス)




 大型書店の店員をしているミチタカはかつてレース界に身を投じていた過去があった。同じ目標を掲げた仲間の一人と付き合い、結婚も間近。書店員としても認められ始め、着実に進歩しているはずだった。しかし、ミチタカは心の奥底でレースへの、バイクへの思いが断ち切れないでいる。そんなある日、ミチタカはバイクショップであるバイクと出会う・・・。
 ダービージョッキーで名を馳せた 一色登希彦 が今回はバイクのレース界を描いた物語です。長い間バイクから離れていた人間がすぐにトップクラスに立てるほど実際のレース界は甘いものではないかもしれません。しかし、 一色登希彦は熱く、激しくミチタカのレースにかける思いを描きます。夢中になることが出来る対象があることの素晴らしさ、そして楽しさを一見荒い線ですが、見事に描いていると思います。
 登場人物が皆熱く、格好良い。1巻ではミチタカがレース界に戻るまでのいきさつが描かれています。この巻では、書店の後輩である女の子が熱い。これほどまでに真剣な書店員のいるお店に一度行ってみたいものです。2巻では一見クールな別のチームの監督が熱い。彼の物事や人物を的確に観察できる目はとても鋭く、妥協を許しません。何より格好いいのはミチタカの兄。レースを続行するかやめてしまうか悩んでいるミチタカに最高の一言を投げかけます。この台詞を読むために購入したとしても惜しくないかもしれません。
 GP・MONO編がこの2冊で終了しました。たった2冊ですが、本当に熱い話でした。分野は異なったとしても、大好きなものに懸ける思いは変わらないと思います。続刊が出るんですよね?出ますよね?とても楽しみにしています。