[読了]竹本健治 闇のなかの赤い馬

闇のなかの赤い馬

闇のなかの赤い馬

 


 ミッションスクールに通う汎虚学研究会の室井環はある日神父が落雷を受け、死亡するのを目撃する。後日、サンルームで別の神父であるベルイマン神父が全身を焼かれた死体で発見される。落雷は事故に間違いない。だがサンルームは密室で、生徒にも不在証明がある。ベルイマン神父はなぜ死んだのか。人体自然発火?それとも未知の凶器を使った殺人なのか。
 講談社の宇山さんがこれまでの仕事の集大成として、子供でも読める良作を出版すると言う目的で始まったMystery Land。既読なのは太田忠司さんの「黄金蝶ひとり」と森博嗣さんの「探偵伯爵と僕」です。どちらも良作でした。その期待を抱いて読み始めた「闇の中の赤い馬」ですが、これもまた良作でした。もちろん、ページ数の制限から、登場人物の造形など深く掘り下げられない部分もあるにはありますが、少年少女向けの作品としては十分な謎と解決方法。クールなマサムネ君に憧れるとまでは行かないものの、同じような姿勢(態度)を目指してみようと思う子がいるのではないでしょうか。