[読了] こなみかなた チーズ スイートホーム
親猫とはぐれてしまった子猫(後にチーと名づけられる)は力尽きてへたり込んだところをよーへーに助けられる。よーへーがすむマンションはペット厳禁だが、思わず彼らはチーを連れ帰る。「おうち、かえう」と言っていた(ことにしよう)チーだけれど、いつの間にかチーにとっての「おうち」はよーへーたちがすむマンションになる。大家さんにばれないように気を使うよーへーたち家族。思いがけず始まったチーとの生活はいつまで続くのか・・・。
2巻の帯に合った萩尾望都さんの推薦で思わず2冊まとめて購入してしまいました。猫好きの一家と拾われてきた猫、チーとのほのぼのした物語です。何でも動くものにじゃれ付くチーがとても可愛らしく、著者の猫に対する愛情が感じられます。
1巻で印象的だったのは、チーが自分の名前を自覚した話と、外に出てしまったもののおうちが恋しくなってしまい、途方にくれているところをよーへーとお母さんに見つけ出してもらうところです。チーが自分のことを人間だと思っているあたりが良いですね。こんな愛玩動物の子って結構いそうだと思いました。
2巻では初めて牛乳をのんで、もっと欲しいと思ったチーがせがむにもかかわらず家族はみんな勘違いする話が良かったです。ビニール袋と戯れているうちに忘れてしまうのもまた良し。あまり詳しいことは知らないのですが、猫は甘みを感じることが出来ないのでは。まあ、気にするほどのことではないですね。
この先、チーとよーへー家族はどうなっていくのでしょうか。いつまでも隠し通すことは出来ないと思いますので、悲しいけれど別れてしまうのか、猫を飼うことが出来るところに引っ越すのか。後者であることを望みますが、どんでん返しとして、大家さんが猫好きになり、ペット可になってしまう可能性も考えられます(動物嫌いのほかの住民には迷惑な話で、実際にはまず無いでしょうが)。全て彩色されているので価格は高めですが(値段を見なかったので買ったときに驚きました。もちろん澄ました顔をしておきましたが)、その価値は十分にあると思います。猫好きの方にはたまらないのではないでしょうか。