[日記]
自らのことを否定したくなる時は多くの人にあるかと思います。でも、それはあなたを信じている人をも否定してしまうことになります。あなたの存在によって助かっている人もきっといるはずです。いえ、います。
[読了] 現代小説のレッスン 石川忠司
- 作者: 石川忠司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/06/17
- メディア: 新書
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現代文学をある意味心地よいまでの断定口調で解析したブンガクの読み方指南書です。かも知れない、とか、〜だろうという文章はめったに無く、たま に見つけるとそこに着目してしまうくらいです。この本で取り上げられているのは村上龍、村上春樹、高橋源一郎、保坂和志、阿部和重など・・・。 論じられていた人物が読書傾向から外れていた(文学作品を読んでいないと言うことかな?)ので客観的に楽しむことが出来ました。読んでいるのは村上春樹ぐらいです。他の方に関しては実際に読んでいないので何とも言いがたいのですが、実に的を射ていそうな内容でした。断定口調だからなおさらかもしれませんね。
一番共感できたのは、あとがきに書かれていたこの文です
引きこもりや少年犯罪が流行る世相、および社会のますます強まる管理体制などが文学にこんな影響を与えてとかの論調は確かに非常にわかりやすい。 しかしわかりやすい分、逆にとんでもないうそを孕んでいるし、何よりもまして馬鹿馬鹿しいと思う。小説ジャンルにはそれ自体で真摯に追求すべき、とりあえ ず社会からは自立したさまざまな問題やテーマがあるはずだ。
うん、まさにその通り。