最近、研究者が一般向けに書いた本が多く出版されているのか、ただ単にそういう作品を読んでいるからおすすめに出てくるのかはわからないけど、面白そうな本がお勧めに上がってくるので読んでいる。専門家が一般向けに書いた本は好きだ。自分の興味のあることに向かって邁進する姿は、まねができないなと思ったり、うらやましく思ったりする。好きなことを研究する仕事についているからと言って、好きなことばかりができるわけではない。おそらく、大半は雑務とか、興味があることの周辺(少しは関係しているかもしれない)の仕事だろう。その中で専門知識を高めつつ、何かがあれば頼りになる存在になれる人たちを尊敬する。スポーツでも似たようなところがあるのだろうけど、多くのスポーツで全盛期は短く、すぐにコーチのようなものに変わってしまうところがあまり好きではない。第一線で働ける期間を考えると、著者のような専門家の寿命は長い。その、長い積み重ねにすごさを感じる。
海にいる哺乳類は、水族館でみることはあっても自然に遭遇することはほとんどなく、大きさを実感する機会も少ない。クジラの骨格標本を見ると、恐竜の骨格標本を見たときのように、こんな生き物が実在するのか、と感じる。小さい生き物を見たときは、こんなに小さいのに良く動けるなと思うことが多い一方で、大きな生き物を見たときは、この大きさを動かしているのに熱はこもらないのだろうか、と思う。巨大な生き物はそれはそれで興味深いけど、年を取るにつれて、周りにいる生き物に興味が出てきた。コロナ禍で外出する機会が減り、近所を散歩するようになった。身の回りにいる小さな虫を写真に撮って、図鑑で確認して楽しんでいる。本来は、子供のころにするようなことかもしれないけど、結構楽しい。