虫はずっと苦手なのだけど、歳を重ねるにつれて寛容になってきたのか、部屋の中に出る程度の虫は気にならなくなった。と入っても、ほとんど見ることはなくて、時々蜘蛛が出てくるくらい。
虫を食べるのは想像もしたことがなく、蜂の子ぐらいなら食べられるかな、と思いつついざ本物を見たら腰が引けるだろう。エビやシャコなど、海にいる足が多い生き物は虫に見えて食べられなかった。今でも若干苦手ではある。
著者は、もともとは虫が苦手だったようだけど、生真面目な性格なのか、虫に対する姿勢や、昆虫食を広めていく方法などにも悩んでいる。それを隠さないのは、ある意味強いことなのだろう。奥様については、詳しくは触れられていないが、彼を支えていることに間違いはない。
虫の味は、おそらく基本的にはエビに近いのだろう。手にしたときの重さから考えるとあまり中身は詰まっていないと思う。重量中のタンパク質量は多いようだけど、タンパク源として考えられるほど、たくさん食べられるのだろうか。味の話に戻ると、エビに近いだろうと書いたものの、多彩な味があるらしい。匂いも、好意的に書かれているけれど、それに直面して食欲が亢進する気がしない。エビの種類で味が違うともよくわからないほど味音痴なので、きっと虫の味の違いもわからないだろう。
昆虫食を広めることができました、めでたしめでたし、という話ではない。今もまさにラオスで養殖しているし、販路の確保など、課題は山積みだ。まだ食べたいとは思わないけれど、将来の食料源になることは間違いないだろう。今後の活躍に期待する。