森博嗣 お金の減らし方

 

これまでの森博嗣さんのエッセイはたいがい読んでいる。芯となる話はおおよそ一貫しているのだけど、この視点から見るとそういう話し方になるのか、という点が面白い。

どんなものにお金を使うか、と自分に当てはめて考えると、結構散漫な使い方をしているな、とおもう。乗り物にお金を使ったときもあれば食べ物に使ったときもある。そうは言っても、額としては大したものではなく、使えるお金をそちらに回していた程度なので、本当にその分野でお金を使う人から見れば使っていないも同然だろう。それでもお金が溜まっていなかったので、収入に対しては使用しすぎていたのかもしれない。最近の趣味は、読書がメインになってきた。結構ためらわずに買っているので、読めていない本もたくさんある。いつかキンドルが使えなくなった、と言われたら落ち込みそうなので、買った本は基本的に端末にダウンロードしている。本体が壊れない限りは何とかなるだろう。

みんな、何にお金を使っているのだろうかとおもう。旅行とかかな?移動にはお金がかかる。コンサートとかライブに行っていたころは、会場の費用よりも移動費のほうが何倍も高くて、都会にいたら移動費がライブに回せるのに、なんて思ったことは…実はない。そんなにたくさんは行っていないからなのだろう。移動は移動で楽しかったのかもしれない。新型コロナウイルスの感染拡大で、移動する人は本当に減ったと思う。それが趣味だった人はかわいそうだ。移動が悪なのか、ヒトとの接触が悪なのか。一人旅は推奨しても良いのかもしれないけど、そう言うと、一人旅が偶然重なった、とか言いながら友人知人で旅をする人が出てくることが予想される。食事中に話すのが悪いのだろう。黙って食事して、部屋に戻ったらマスクをして離れて感想を言い合う、とかでは我慢できないかな。我慢、と言っている時点でダメか(この感想を書いたのは2020年5月頃で、2021年12月現在では比較的移動は自由だけど、新たな株が出てきたため移動が制限されそうになってきている)。将来の不安はあるけれど、ある程度お金を使わないと。年を取って、元気に使えなくなってから残っていても仕方がない。病気を恐れるか、楽しみを制限するかは個人が決めることだけど、感染症は個人の都合にとどまらないだけに、病気を恐れない人にとっては息苦しさが続いているのかもしれない。

紙の本について触れて終わりにしよう。キンドルにない本や、大きく見たいものは紙で買うので、図鑑や画集を買うことが多くなった。画集は、買ってすぐに一通り見て、あとはたまに眺めるくらい。それでも十分楽しい。見たいときに見ることができることに価値がある。場所をとるのが難点ではある。そういったものの感想も、少しずつ書いていこうとおもう。