[読了]三上修 電柱鳥類学

電線にスズメが止まっているのを見かけることは多い。よく見ると雀ではない鳥も多い気がする。住んでいるところは田舎なので、トビが固まって止まっている区域もある。あまり、多種が固まって止まっているところを見たことはない、などと思っていたら、電柱に止まっている鳥について研究している人がいて、簡単に本を書いてくれた。

電柱の話に始まり、止まっている鳥について簡単に説明がある。ある程度見ていたらわかることを、きちんと調査して書かれていると感じる。もっと踏み込んでもらっても良かった気もする。主となるのは鳥の種類と、巣の話だ。自然に割り込んでいるのは人間のほうかもしれないけれど、鳥は鳥でそれを利用することもあって、なかなかこれも自然の摂理なのかもしれない。著者も述べているけれど、いずれ電柱は失われるものであり、ほんのひととき見られる風景なので、今のうちに楽しむのもいいだろう。

職場もまた自然が多く、毎日鳥の声が聞こえる。夏であろうが、冬であろうが、朝は人が少ないからか、とても多くの種類の声が聞こえる。まあ、聴き分けることはできないので、本当に種類が多いかどうかは不明だ。ところが、少し周りの木が伐採されたので、静かになってしまった。いずれ戻ってくるのだろう、とは思うものの、こんなに静かなのかと驚く。はじめは、あまりに静かなので地震などが起きるのではないかと心配したくらい静かになった。一方、今まで見たことがなかった鳥を見かける様になった。雀かな、と思ったけど、調べてみたらアオジだった。結構近くまで寄ってくるので可愛らしい。1メートルぐらいまで近づいても逃げない。この周辺の鳥は比較的人を警戒しないのか、セキレイも近くまで寄っても逃げない時がある。人なんてスローモーションに見えているのかもしれない。